子どもの頃、私は勉強机に座ってきちんと勉強するタイプではありませんでした。
宿題をするにも、本を読むにも、自分の好きな場所の方が落ち着きました。
机ではなく、居間だったり、布団の上だったり、なんとなくその時に気が向いた場所。
親から見ると、きっと「そんなところで勉強して」と思ったのでしょう。
「ちゃんと机でしなさい」と言われて、勉強机に移動したとたん、それまであったやる気がスーッと消えてしまったことを覚えています。
今思えば、勉強机が悪かったわけではありません。
ただ、私にとっては「その場所では気分が乗らなかった」のだと思います。
大人でもそうですよね。
同じ仕事でも、台所のテーブルならはかどる。喫茶店なら書ける。静かな部屋より、少し生活音がある方が集中できる。
人によって、集中しやすい場所は違います。
それなのに子どもの勉強となると、つい「勉強は机でするもの」と決めつけてしまいがちです。
「勉強しなさい」は逆効果。でも放っておいても勉強しない
親に「勉強しなさい」と言われると、余計にやる気がなくなった。
そんな経験を持つ人は多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
だから自分の子どもには、できるだけ「勉強しなさい」と言わないようにしていました。
自分が言われて嫌だったことは、子どもにも言いたくなかったのです。
ところが、ここが子育ての難しいところです。
「勉強しなさい」と言わなければ、子どもは自分から進んで勉強するのか。
わが家の場合、そう甘くはありませんでした。
親が言えば反発する。
言わなければしない。
では、どうしたらいいのか。
多くの親がここで悩むのだと思います。
勉強を好きにさせたい親心
本当は、親だってガミガミ言いたいわけではありません。
できれば子どもには、勉強を嫌いになってほしくない。
できれば、少しでも「わかった」「できた」「面白い」と感じてほしい。
でも現実には、宿題はある。テストもある。成績も気になる。
親の方が焦ってしまい、つい「早くしなさい」「ちゃんとしなさい」と言ってしまう。
子どものために言っているつもりでも、その言葉が子どものやる気をしぼませていることもあります。
そんな時、以前、篠原菊紀さんの『勉強にハマる脳の作り方』という本を読んで、「勉強は机でしなければならない」という思い込みが少しほどけたことがあります。
今ではその本自体は手に入りにくくなっていますが、子どもが集中できる場所は一人ひとり違う、という視点は今でも心に残っています。
リビングの方が安心する子、親の気配がある方が落ち着く子、少し音がある方が集中できる子。勉強の形は、一つではありません。
私はもう孫がいるような年齢です。
今さら子育ての本を読んでも、と思いながら手に取ったのですが、読んでみると目からウロコの内容がたくさんありました。
好きな場所で勉強してもいい
印象に残ったことの一つが、勉強する場所についてです。
子どもが好きな場所で勉強した方がはかどるなら、無理に場所を指定しなくてもいい。
これは、子どもの頃の私に言ってあげたかった言葉です。
「机でしなさい」
「姿勢よくしなさい」
「静かな部屋でしなさい」
もちろん、それで集中できる子もいます。
でも、すべての子が同じ環境で集中できるわけではありません。
リビングの方が安心する子。
親の気配がある方が落ち着く子。
少し音がある方が集中できる子。
短時間ずつ場所を変えた方が続く子。
勉強の形は、一つではありません。
大切なのは「どこでしているか」よりも、「その子が学びやすい状態になっているか」なのだと思います。
勉強の目的は、点数だけではない
もう一つ心に残ったのは、勉強は何のためにするのか、誰のためにするのかということです。
テストで良い点を取るため。
受験に合格するため。
もちろん、それも大切です。
でも、それだけが目的になってしまうと、勉強は苦しいものになりやすいのではないでしょうか。
本来、学ぶことは「生きる力」につながっていくものです。
知らなかったことを知る。
できなかったことができるようになる。
自分で考える力がつく。
人の役に立てる力が育つ。
そう考えると、勉強は子どもを縛るものではなく、子どもの世界を広げてくれるものなのだと思います。
点数や合格だけを目的にしてしまうと、学ぶ楽しさや、学んだことを人のために使う喜びが後回しになってしまうことがあります。
親としては、そこを忘れないようにしたいものです。
ゲームにハマる力を、勉強にも使えたら
子どもがゲームに夢中になる姿を見ると、親はつい「そんな集中力があるなら勉強に使ってほしい」と思います。
でも、考えてみれば、ゲームには子どもがハマる仕組みがあります。
少し頑張ればクリアできる。
できたら達成感がある。
次の目標が見える。
失敗しても、もう一回やってみようと思える。
勉強にも、こうしたワクワク感や達成感があれば、子どもの向き合い方は変わるのかもしれません。
いきなり長時間勉強させるのではなく、
「ここまでできた」
「昨日よりわかった」
「この問題だけ解けた」
そんな小さな達成感を積み重ねること。
それが、勉強を嫌なものにしない工夫なのだと思います。
親も学ぶ姿を見せる
子どもに「勉強しなさい」と言いながら、親が何も学んでいない。
これは耳が痛い話ですが、子どもは案外よく見ています。
親が本を読む。
わからないことを調べる。
新しいことに挑戦する。
失敗しながら覚える。
そういう姿を見せることも、子どもにとっては大きな学びになるのではないでしょうか。
「勉強しなさい」と言葉で押すより、
「大人になっても学ぶって面白いんだな」と感じてもらう方が、子どもの心に残るかもしれません。
まとめ
子どもに勉強してほしい。
それは多くの親が持つ自然な願いです。
でも、「勉強しなさい」と言えば勉強するわけではありません。
かといって、何も言わずに放っておけば自然に学ぶとも限りません。
大切なのは、子どものやる気を奪わないこと。
そして、その子に合った学び方を一緒に見つけていくこと。
机でなくてもいい。
リビングでもいい。
短時間でもいい。
まずは「わかった」「できた」「ちょっと面白い」と感じられること。
勉強は、子どもを追い詰めるためのものではなく、子どもの世界を広げるためのもの。
そう思えると、親の声かけも少し変わってくるのではないでしょうか。
「勉強しなさい」と言う前に、
この子はどこなら集中できるのか。
何なら少しワクワクできるのか。
どんな時にやる気をなくしてしまうのか。
まずはそこを見てあげることから始めたいと思います。
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